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つむじが七つ、風のなか

普通の日記に混じり、同人的要素が含まれたものもごさいます。//二次元創作小説もございます。// 以上のことから、苦手な方、閲覧後にご自分で責任をとることが出来ない方はご退場くださいませ。// 完全に、つむじ奈々個人の趣味で作っているアレコレです。//版権元および原作者様とは一切関係ありません。// そのことをご理解の上、お楽しみください。
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昔の不思議

つい先日まで春の陽気だったのに、今日は寒いです。
それでもお参りの方は早朝からいらっしゃいます。

つむじがお守り所の番をしていると、よわい九十近いようなおじいちゃんがヨロヨロとこちらへ向かってきます。

あわわ、倒れる? 倒れる? とハラハラしながら見ていました。

おじいちゃんは、しわしわの顔をつむじに向け、懐かしむように、
「わしはね、十五年前に結婚式でこちらに来たことがあるのよ」

それだけをつむじに告げると、またヨロヨロと立ち去っていかれました。

しばしの間、ぼーっとしてしまいました。

あのおじちゃんにも十五年前があって、つむじにも十五年前があって。
誰にでも昔があって。もっともっと、昔もあって。
おじいちゃんには、おじいちゃんではない昔が。
大人は大人ではない昔が。
子どもはもっと子どもの昔が。

不思議だな、と思ったのです。

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